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海外旅行用に、以前から気になっていたマネパカードを作りました。
カードデザインは正直私の好みではありません(苦笑)。
が、日本で作れるカードとしては、外貨決済で手数料が最安値らしい。
本当に安いのかどうか、独自検証してみました。
とは言え素人による検証でもありますので、間違いがありましたら何なりとご指摘頂けると嬉しく存じます。
マネパカードのメリット
手数料はクレカの半分くらい
VISAやMasterなどがついているクレジットカードの外貨決済は、手数料は1.6%程度(例:100ドル使ったら1.6ドルが手数料として上乗せ)。レートはカードブランドにより微妙に異なります。
マネパカードの場合、FX口座からカードにチャージすれば、かかる手数料は約0.6%です。
- 外貨両替:リアルタイムレート±20pips(1USD=100円なら、1pips=0.2円/0.2セント)
- カードにチャージ:1通貨あたり0.004通貨(1USDあたり0.4セント)
(マネパカード)0.6% <(一般的なクレジットカード)1.6%
このため、クレジットカードよりもマネパカードで手数料が安くなります。
FX口座を開かずにマネパカード口座のみで両替する場合は、別のレートが適用されます。
マネパカード口座のレートはクレジットカードのレートより1%程度高いですが、クレジットカードの海外利用手数料は1.6%なので、それを考えれば安いです。
海外旅行では手数料の差が大きくなる
海外旅行に行くときは、自ずと外貨決済の金額が多くなります。
たとえば1回の海外旅行で、【1,000USドル】カード払いした場合、クレカの手数料との差は以下の通り。
クレジットカード | マネパカード | |
---|---|---|
両替レート (2018/8/16現在) | 110.996円 | 111.630円 |
両替レート×1000 仲値 108.940円 | 110,996円 | 111,630円 |
海外利用手数料(1.6%) | 1,809円 | 0円 |
支払い合計 | 112,805円 | 111,630円 |
手数料コスト | 2,175円 | 1,000円 |
1,000ドルあたり、1,000円の差(もちろん時期によりますが)。
積み重なると、これは大きいですね。
しかし、ポイント還元が大きいクレジットカードの場合、「マネパカードが必ずしもクレジットカードより安い」とも言いきれません(後述します)。
審査が要らない
クレジットカードではないため、与信審査が不要です。
自己破産歴があっても未成年であっても、マイナンバーがある15歳以上の人なら誰でも作れます。
還元率が高い(国内利用時のみ)
クレジットカードの通常の還元率は、高くても1.0%のカードが多いです。
マネパカードの場合、FX口座も一緒に作ってしまえば、常に還元率1.2%となります。
還元率 | |
---|---|
マネパカード口座のみ | 1.0% |
マネパカード口座+FX口座 | 1.2% |
マネパカード口座+月間100万通貨以上のFX取引 | 1.5% |
FX口座なしの最低の還元率1%でも、クレジットカードの1%と同等のレベルです。
FX口座も作ってしまえば、FXをしなくても還元率が1.2%にUP。入金手数料も無料になるので、FXをしなくてもお得です。
「楽天市場で楽天カード」等、クレカの還元率が大幅にUPする場面以外の、日常のカード決済としては、非常に高い還元率と言えます。
還元は、ポイント付与ではなく「キャッシュバック」
通常のクレジットカードでは、基本的にポイントで還元です。
一方、マネパカードは「現金でキャッシュバック」となります。
還元が現金であることには、メリットとデメリットがあります。
- メリット・・・ポイントのような(使用場所や期限などの)縛りがない
- デメリット・・・金額等により、確定申告で申告の必要が生じる
私は個人事業主の青色申告者なので、国内で使いキャッシュバックが生じた場合は、必ず申告しなければならないのがほんの少し面倒ではありますね。
海外利用ではキャッシュバックはありません(還元率0%)。
ATMで現金を引き出せる
銀行のデビットカードと同様、海外で「日本の口座から自分のお金を直接引き出す」ことができます。
各行のデビットカードに比べて、手数料の安さでマネパカードは優れています。
たとえば、手数料3.024%の楽天銀行のデビットカードの場合で比較してみます。
先の例の数値で、【500USドル】をATMで引き出した場合、以下のようになります。
楽天デビットカード | マネパカード | |
---|---|---|
両替レート (2015/5/13現在) | 108.993円 | 109.708円 |
両替レート×500USD 仲値 108.940円 | 54,497円 | 54,854円 |
海外利用手数料(3.024%) | 1,648円 | 0円 |
ATM手数料 | 0円 | 439円 |
支払い合計 | 56,144円 | 55,293円 |
デビットカードは、発行銀行により国際ブランド・為替手数料・ATM手数料が少しずつ異なりますので参考程度でご覧ください。
※大手メガバンク(三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行など)のデビットカードでは、為替手数料はVISA/Master/JCBレート+3.0~3.4%、ATM手数料が110円程度です。
上記の計算を見ると、デビットカードと比べた場合、マネパカードのATM手数料は非常に安いと言えます。
引き出し額に注意
ただし、マネパカードでATMから現金を引き出す際、ATM手数料が必ずかかる点には注意です。
- 米ドル:4ドル
- ユーロ:3.5ユーロ
- 英ポンド:3ポンド
- 豪ドル:5豪ドル
- 香港ドル:40香港ドル
ある程度の金額を1回で引き出したほうが、より割安となります。
上記のレートの例では、一度に引き出す金額が【293USドル未満】の場合、楽天デビットカードのほうが安くなります。
金額の分岐点は、その時のレート・通貨・デビットカードにより異なりますが、
「4万円相当以上をATMで引き出すようにすれば、マネパカードで得になる」
と考えておいて良いと思います。
限度額がない
クレジットカードでは、ひと月における利用限度額が決まっています。
たとえば限度額が50万円の場合、50万円を超えてその月でクレジットカードを利用することができません。
一方、マネパカードでは口座にお金がある限り、500万円でも1,000万円でも利用できます。
一般庶民の海外旅行で、さすがにひと月500万円は非現実的ですが、学生などでクレカの限度額がまだ大きくなく、
「海外旅行でクレジットカードの限度額以上に使うかも」
という理由で、マネパカードをサブカードとして持つ選択肢はありでしょう。
マネパカードのデメリットは?
一見便利で手数料も安いと感じるこのマネパカード。デメリットもあります。
両替やチャージが面倒
クレジットカードであれば、カードを提示さえすればすぐに決済、レートも自動計算です。
マネパカードでは、
- 口座にプールしたお金を両替
- さらにカードにチャージ
・・・という手順を踏まなければ使えません。
かかる時間を考えたら、それは本当に節約になるのか。自分の人件費としてペイできるか。そこが問題。
人にやってもらって高く手数料を払うか、面倒だけど自分でやって安く済ませるか・・・。
ある程度の金額なら、クレジットカードでささっと決済してしまうほうが楽、という考え方もあります。
対応通貨以外は手数料がUPする
マネパカードの対応通貨は、【米ドル・ユーロ・ポンド・豪ドル・香港ドル】の5種類のみです。
これ以外の通貨で利用しようとすると、USドル残高に3.0%もの手数料が加算されます。
USドルに両替する時点で1%程度の手数料がかかっているため、合計で4%程度の手数料となってしまいます。
アメリカ・ユーロ通貨圏・イギリス・オーストラリア・香港以外への旅行には、マネパカードは向きません。
不正利用でのトラブルに弱い
マネパカードに限らず、プリペイドカード・デビットカード全般に言えることですが、不正利用があった時にクレカに比べて非常に弱いです。
不正利用されてしまうと即座に口座から残高が減ってしまいます。
マネパカードの場合、不正利用があった時に所定の行動(マネパカードや警察への届出)を怠ると、被害はこちら持ちになってしまいます😩
第 23 条(盗難・紛失・不正利用等)
(4) 会員は、不正利用等の事故等による損害について、負担するものとします。ただし、会員が第 22 条の安全管理措置を講じており、且つ会員が第1項の手続きを行い、当社が適当と認めた場合は、当社は、当該会員の当該損害金額を補てんします。この場合、会員は、被害状況等の調査に協力するものとします。
※太字は当サイトによるもの
【クレジットカードの場合】
不正と思われる取引があれば、クレジットカード会社からカード保有者に確認の連絡が来ることがほとんどです。
それは、お店にお金を払う(立て替える)のが、クレジットカード会社だからです。
しかも利用から引き落としまでタイムラグがあるため、不正利用があればすぐにカードを無効にしてもらい、支払日に請求されることはありません。
【プリペイドカードやデビットカードの場合】
お店に払われるお金はカード所有者のもので、銀行や金融機関が立て替えているものではありません。
不正利用されても、銀行や金融機関は痛くも痒くもないというわけです。
また、不正利用が認められたとしても、返金手続きまでに非常に時間がかかります。
VISAやMasterがついていて、一見便利に使えるデビットカードやプリペイドカードですが、このような弱点があることを知っておくことが必要です。
マネパカードの不正利用対策
不正利用の可能性は完全にゼロにはできませんが、対策としては以下の7点が挙げられます。
- 使わない時は「利用停止」設定に
- 1日の利用限度額を可能な限り小さくする
- 一度に大金をチャージせず、こまめに少しずつチャージ
- 利用メール通知を設定
- トラブル時の連絡先を控えておく
- カードは2枚以上持ち、別々の場所に身に着ける
- カード不正利用の手口について知っておく
尚、マネパカードへのチャージをオンラインで行う場合、公共Wifiの利用などは以ての外です。どこの誰が傍受しているか知れたもんはありません。
面倒でお金がかかっても現地のsimカードを使って、周りに誰もいないところ(※)でインターネット接続。絶対安全ではないにしても、傍受の危険性が減ります。
※高級ホテルの部屋なんか最高。でも高級ホテル使うような人は、ちまちまマネパカードなんか使わない説。
万が一不正利用が確認されたら、画面のキャプチャや各所への電話連絡の時間や内容の時系列等、細かく記録するようにしましょう。
ホテルなどの予約用には非推奨
クレジットカードであれば、海外ホテルの予約などにカード番号を使うことも多いと思います。
ホテル側が予約のデポジットをチャージしたり、直前キャンセルがあった場合にキャンセル料を引き落としたりするためです。
これがマネパカードの場合、ホテルの予約用やレンタカーのデポジット用として使うことが推奨されていません。
2.ご利用をおすすめしない加盟店について
ホテルの事前予約、レンタカーやガソリンスタンドのデポジットに利用された場合には、その金額が一時的に保留されご利用できなくなる場合があります。
カードに返金されるまでに1ヵ月以上かかる場合がありますので、ご利用をおすすめいたしません。
その他、クレジットカードで使えるような継続的な公共料金払い等にも使用できません。
「1回払いの決済」として固定されている点には注意しましょう。
海外では還元率0%
国内利用では還元率1%以上ですが、海外では還元率0%です。
先の手数料の例をもう一度出して、クレジットカードの還元率1%ポイントを考慮すると、以下のようになります。
クレジットカード ポイント還元1%の場合 | マネパカード | |
---|---|---|
両替レート (2015/5/13現在) | 108.993円 | 109.708円 |
両替レート×1000 仲値 108.940円 | 108,993円 | 109,708円 |
海外利用手数料(1.6%) | 1,743円 | 0円 |
支払い合計(a) | 110,736円 | 109,708円 |
手数料コスト | 1,796円 | 768円 |
付与ポイント(b) | 1,107ポイント | なし |
実質(a)-(b) | 109,629円 | 109,708円 |
あれ?クレカのほうが結局いいやん。という結果に。
もちろん、還元率1%以上のクレジットカードを保有していることが前提です。
楽天カードやAmazonカード等を持っている方は、ポイントを換算すればマネパカードと変わらないため、外貨決済でわざわざマネパカードを使う必要はないかもしれません。
それこそ自分で両替したりの手間も大変です。
デビットカードでは、先の例で出した楽天銀行ではJCBデビットカードが年会費無料で還元率1%となります(VISAは年会費がかかる)。JCBだと、海外で使えないことがあるのが難点です。
マネパカードとクレカの使い分け
マネパカードのメリット・デメリットや手数料について、記事を書いてみてはじめて私もよく理解できました。記事書いて良かった。
マネパカードの外貨決済も、万能というわけではない。でも海外ATMでの現金引き出しなど、捨てがたい長所があることも事実です。
まとめてみると、こんな感じ。
海外ショッピング | 海外ATM | |
---|---|---|
マネパカード | トラブル 不安 手数料 安い | トラブル 不安 手数料 安い |
クレジットカード | トラブル 安心 手数料 還元率1%なら安い | トラブル 返済遅延による利息に注意 手数料 数日以内の繰上返済なら安い |
デビットカード | トラブル 不安 手数料 高い | トラブル 不安 手数料 高い |
これを踏まえて、私が導き出した結論としては以下。
海外ショッピング
海外ショッピングでは、クレジットカード(還元率1%以上)です。
還元率が1%以上あれば、マネパカードに劣らないどころか、マネパカードよりもほんの僅か有利であると言えます。
マネパカードは手数料的には良いのですが、不正利用のトラブル対応の弱さを考えると、スキミングされる場面を減らすために大々的な利用は控えたい。
海外ATM
海外ATMでは、手数料の安いマネパカード。または、クレジットカードのキャッシング(早期に繰り上げ返済できる場合)。
ATMの利用は、もちろん、人通りが多く警備員のいる銀行の中のATMで(防犯)。
マネパカードはATM手数料が必ずかかるため、1回に引き出す金額は、最低でも1万円相当以上がベター。そして現金は、2か所以上にわけて身に着けて保管。これ海外旅行のジョウシキ。
クレジットカードでATMを使う場合は「キャッシング」となります。
キャッシングはいわゆる「借金」です。為替レートに対する事務手数料がゼロですが、利息がかかります。
1週間程度の旅行の場合には問題なく使ってもいいでしょう。もちろん借り方・返済の方法は事前に勉強。
私が海外キャッシングをする場合は、セゾンカードを使ってます。帰国したその足でセゾンATMで返済できるので便利です。
国内ショッピング
国内の通常のショッピングでは、メインで使っているクレジットカードが一番。
マネパカードの還元率(FX口座ありで1.2%)は、クレカと比べてもまったく劣らない、かなりの高還元率。とは言え、やはり不正利用されたの場合の心労はクレカよりも大きい。
クレジットカードが持てない未成年やブラック履歴のある方には、マネパカードは良い選択肢になると思います。
マネパカードのメリットデメリットまとめ
マネパカードはいわゆる「プリペイドカード」の類です。
クレジットカードとは違った特徴を持つので、その長所と短所をよく把握して、利用シーンによって使い分けることが重要です。
マネパカード受け取りまでかかった時間
私は先に、マネーパートナーズのFX口座を作ってから、マネパカードを申し込みました。
カードが届くまでの期間は以下。8日(6営業日)かかりました。
2017/3/2(木) | 11:00 FX口座から口座開設申し込み |
2017/3/3(金) | 9:00 「Manepa Card発行のお知らせ」メール |
2017/3/5(日) | 18:30 口座開設書類が簡易書留で届く |
2017/3/10(金) | 16:00 マネパカードが届く |
執筆時点(2017年3月上旬)では欅坂46のキャンペーンをしていることもあり、申し込みに時間がかかりました。
海外旅行で使う予定のある方は、1か月程度の余裕を持って申し込まれることをオススメします。
最後に、かなりの長文をお読み頂き、ありがとうございました。