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日本経済新聞社編「税金考」読了。
何気なく、言われるがままに、取り敢えず支払っている税金。日本の税制ってこんなにひどかったのね・・・。考えさせられる一冊でありました。
日本に納税している人間は皆、この本を読んで現状を理解しておくべき!
てか、読んだら日本から脱出したくなるかもしれない。香港で商売やってる香港人の友人が羨ましくなりましたよ・・・。
日本の納税システムは世界でも複雑すぎ
去年秋に知り合った、英国で個人事業主をされている日本人女性がいます。
これからしばらく日本を拠点にして日本で確定申告をするそうですが、「日本の税制は複雑すぎる」と言っていました。イギリスは超シンプルで簡単らしい。
聞いた時は「いや、日本もどこも一緒じゃん?」と思ってましたが、この本を読んで納得しました。
ビジネスのしやすさランキング「税の支払い」が世界122位
本書の最後の方に取り上げられている、税インフラについての考察。ビジネスのしやすさランキング、というものが紹介されています。
その世界銀行の「Doing Business 2015」では、日本は29位。台湾やアラブ首長国連邦より下。
順位を押し下げているのが、「税の支払い」項目の122位。日本の税インフラは複雑化されすぎており時間も労力もかかる。
この話は法人税についてだけれど、個人事業主の青色申告も十分複雑です。かく言う私も、確定申告を4回やってようやく慣れてきた感じ。
税の複雑さだけでも「日本でビジネスやろう」という人間が減るのに、その煩雑さがコスト増になり、ビジネスをやったらやったでその分世界的競争力が落ちるというオチ。
だからあの人は香港に移住したのか?
法人税の高さもそうだけれど、所得税も日本は高い、らしい。年収1億円(給与)の場合、日本は香港の3倍の所得税がかかるんですってよ。
ちなみに、香港は上記の「ビジネスのしやすさランキング(Doing business 2015)」で世界3位です。
起業家で成功した人たちの中で、なぜか香港に移住する人いるなぁ、と前々から思ってはいましたが、そういうことでしたか・・・とここでも納得。
日本のゆがんだ税制が、優秀な人材をどんどん流出させてます。
私は年収1億円どころか1000万円にも程遠いですが、読んでたら日本脱出したくなりましたよ。ビジネスのしやすさ2位の、ニュージーランドとか、移住してみたいわぁ。
税制改革どんどんやってほしいけど
色々遅れまくっている税制の抜本改革。政府はようやく「配偶者控除」の廃止について本気でやっている模様。
もちろん私は配偶者控除廃止に賛成です。103万円以内で働くなんて、賃金上昇とマンパワー不足のこの時代に、まったく以って芳しくありません。
主婦(主夫)家庭の人たちは猛反発でしょうが、現在の「配偶者控除」は、日本国の発展を阻害する税制です。自分の国の衰退を見たくないなら、ゼロベースで受け入れるべきだと思う。
ヤフコメみたいな「負担増やそうとしてる魂胆だ!」とかいうリテラシーの低い意見を言う位なら、本を読んでこの国の税制の問題点をわかっておくと、税制改革が一応はあるべき方向を向こうとしているのがわかりますよ。
税金ムダ遣いもやめて
そもそも政治家やお役所の税金ムダ遣いは否定できない。役人の多さと役所の煩雑システムは、民間の人間からするとはっきり言ってかなり甘い。彼ら的には努力してるんだろうが、努力しなくても収入(税金)が入る公的団体と、努力しないとお客様に買って頂けない民間とは、そもそもの心意気がまず違います。
「社会の一員としての会費(税金)を払おう」と思わせてくれるような税の使い方を国や自治体が見せれば、増税も何も皆納得できる。はず。
でも公用車で別荘に行ったり、お茶菓子を買った風な請求書を偽造している政治家がいるうちは、まだまだ難しいですかねぇー。