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カバー写真Bev Sykes
数日前の日経新聞の朝刊に、「理系志向の若者が世界で増えている」的な記事がありました。
そういう時代なんですかねぇ。
私は理系の学部を卒業しました。科目は物理です。卒論は「真空中の電子のドリフト運動について」です。サイン・コサイン・タンジェント、三重微分に三重積分、言葉は分かるけどもうできません。
TBSの看板アナの加藤シルビアさんも、大学では物理を勉強されていたとか。今ウィキ見たら、シルビアさんは量子力学でしたか。シュレディンガー方程式とかですかね(←よく思い出せないので適当w)あ、私はアインシュタインの相対性理論が好きでしたよ(聞いてない)。
私は文系にいたことがないために比較はできないのですが、理系に進んで感じたことを書いてみます。
教科書代が非常に高い
文系の皆さんがどのような教科書をお使いなのか存じませんが、私が勉強していた分野では、すべての科目(力学・電磁気学・量子力学・統計物理学 etc)の教科書が超高かったです。
大体1冊4,000円位。2,000円だと安く感じる。そんでもって、ムダにハードカバーとかだったりする。重い。
在籍していたのは国立大学で、多少バイトもしてましたが、教科書代でもどんどんお金はなくなります。
そんなわけで、常日頃からお金がありませんでした(第一種奨学金を受けてた位ですし)。財布に2,000円入っていると安心、でも計算機を持ってスーパーに買い物に行ってた程。でもそれが普通だったので、当時は何とも思ってませんでしたね。
今のように、Amazon等で中古教科書を安く買えるシステムがあれば良かったなぁと思う次第。
メンズの友人がたくさんできる
理系の中でも女子が極端に少ない物理学科。私の入学時の学科の女子の割合は1割。必然的に男子の友達が増えました。
サークルでは女子友もいましたが、何だかんだ、メンズの友達はサバサバしてて楽なんですよね。仲がいいメンズとは、お互い彼氏彼女がいても普通に二人でご飯とか行ってましたし。だって友達だもんね。
また、教室は当然の如くメンズばかりなので、夏場はむわっとしますw。当時、私が通っていた某国立大学の教室には冷暖房がありませんでした。夏のテストの時に集まる男たちの熱気はすごかったです(みんな授業には来ないけど、テストには来るw)。
女子の希少価値は高くないw
女子が少ないからと姫扱いされたことはまったくありません。
そもそも、同じ学科の女子の中でキャピキャピしている人は皆無でしたね。加藤シルビアさん並の美貌の方がいたら、姫間違いなしだったでしょうが・・・。
そんななので、夜中に飲みが終わっても、それがサシ飲みであったとしても、「俺が送ろうか」てなこともありませんし、こっちもまったく期待しません。そもそも「送ってもらおう」という発想すらありませんでした。完全なる男友達扱い、且つ自分もそれが普通。もちろん最近は危ない人が増えてきてるから危険です。
かなり勉強に没頭できた
他の学問はどうなのか存じませんが、物理は「仮説→計算→実験→検証」の繰り返し。
毎週の実験レポート提出、それに加えて期末の全科目のテスト勉強。サークルの文系友達はテストが終わっていても、理系組は期末の最後までテストテストだった記憶があります。
図書館での勉強は日常茶飯事。これでもかという位、たくさん勉強できました。ありがたや。
と言っても、「根詰めて勉強」ということでもなく、普通にサークル活動にも参加してましたし、夕方~夜はレストランでバイトもしてました。あと、良く友達で家飲みもしてました。今思えば充実してたなぁ。
勉強に追われるのは、理系に限らないとは思いますけどね。そもそも大学は勉強するところです。
日常生活にはあまり役立ってないかも
物理を勉強して何が身についたのかと言われれば、強いて言えば「論理立てて物事を考える力」でしょうか。
たとえば雨が降って止んだ後の靄などを見ると、「雨が降って空気中の水分量が増えて、気温が下がったから飽和蒸気圧が下がって靄になったな」というような面倒臭いことを瞬時に考えます。
車などに乗っていて遠心力を感じると、m x v2/r (m かける r 分の v 2乗)とかいう公式がパっと頭に浮かびます。(m:質量、v:速さ、r:半径)
で、「あ、このカーブはr(半径)が小さいから外に振られてるな・・・」とか、無意識に考えちゃいます。考えようとしないのに浮かんできてしまいます。
それが何かの役に立っているかと言われると・・・、立ってませんw
今の仕事でやっているコーディングやプログラミングでの組み立てなどには、多少役に立っているのかもしれない・・・のか?
就職には結びつかなかった
物理学や数学は基礎科学です。就職には役立った感はありません。就職に専門知識が役立つとすれば、実用的な工学系や医学系、化学系・薬学系などでしょう。
ちなみに同じ物理学科の人たちは、SE(システムエンジニア)や技術者(普通のエンジニア)になった人が多かったですね。就職難の時代だったので、他に選択肢が多くなかった、というのもあるかもですが。
研究者の道もありますが、雇用の面ではとくに日本は不安定です。生物学系で研究者になった友人(女)は、30歳を過ぎて博士号取得を目指し、その後海外に行くかもな話をしてました。
ノーベル〇〇賞に感動できる
私は物理なので、ノーベル物理学賞で日本人受賞者が出ると、そのほかの部門以上に感動します。もちろんそれらの細かい理論は、私には難しすぎて理解不能ですけどね。
学生時代には、ノーベル物理学賞の歴代受賞講演のスピーチを本で読んだこともありました。スーパーカミオカンデがテレビに映るといまだに興奮します。
地域の科学館なんかに行ったもんなら、閉館時間まで楽しめます。
アインシュタインの相対性理論にも感動できます。タイトルは知っている人は多いと思うけど、中身までわかっている人も少ないでしょう。
こういうことに感動できるのは、その分野での素養がある人の特権です。音楽やスポーツでも同じ。何でも実際にやってる人のほうが、同じ分野の他の誰かの偉業を目の当たりにした時の感動が大きいです。
先述の生物学系の友人も、山中教授の研究とお人柄に超感動してましたしね。
まとめ
私の話は単なる市井の理系女子の一例です。
「理系だから何がいい」というわけではないでしょう。それぞれ専門に一生懸命取り組んだことがあれば、それ相応の経験が得られるはず。文系には文系でしか得られない、私にはわからない色々な発見や感動があると思います。
そんなわけで若者よ。文系だ理系だとそういう狭い料簡に捕らわれず、自分がやりたいと思うところに突き進んでいくべし!